アーキテクト工房 Pure
CONTENTS
ロックウールに関わらず、断熱材の性能を活かすか
潰すかは施工側にかかっています。
如何に断熱材の性質を理解し、断熱材販売メーカーの
意向にあった施工を行うかが重要になります。
今回は、断熱材の施工について書かせて頂きます。
断熱材を施工するにあたり、1番重要で忘れがちなのが
施工側が断熱材の役割を理解していないこと。
使用する断熱材の性質を理解していないと事故の要因にも
なりかねません。
断熱材”とは、その名のとおり「熱を遮断する建材」です。もちろん、完全に熱の流動を遮断することはできませんが、外部からの“暑さ・寒さ”の室内流入を防ぐとともに、室内の“暖かさ”を屋外へ逃がさない役割を担っています。
ただ、熱の伝わりを緩やかにする役割はありますが湿った空気を
とめることは役割に含まれていません。
ロックウールは、玄武岩、その他の天然岩石などを主原料とした人造鉱物繊維のことをいいます。(綿飴を作る原理と同じです。)
特徴
・保湿性・吸音性に優れています。
・不燃材である為、火災でロックウール自体が燃えることがありません。
・有毒ガスがでません。
・高い温度で溶解することで形状を変えリサイクルすることが出来ます。
・鉱物系の断熱材ですのでシロアリが好まず、被害が少ないです。
・一般的にグラスウールより高価です。
・重さがあるの落下により隙間が生じる場合があります。
・撥水加工された商品もありますが湿気に弱いです。
※繊維系断熱材は湿気に弱いものが多いです。
ロックウールは繊維系断熱材です。
繊維系の断熱材は細かな繊維のすき間に空気を保持することで、
断熱性を確保しています。
よって施工時に無理に押し込み繊維の隙間が無くなると断熱性が
低下してしまいます。隙間がないこと、押し込まないことが
大切になってきます。
なぜ、ここまでするか・・・
答えは
隙間なく押し込むと繊維の中の空気が無くなってしまう。
押し込まないようにすると隙間ができてしまう。
繊維系断熱の価値を高めるには上記のような施工しかありません。
袋入りロックウールも同じです。
筋交いなど木がある部分は袋を切り
不要な部分の断熱材をカットします。
そして袋を戻しテープにて処理してから
充填していきます。
裸の場合は充填断熱後、外部に面する壁に気密シートを
全面施工していきます。
平らな面に断熱材を充填していくのは、簡単です。
ただ、下地材や金物など。壁の中には障害物が沢山あります。
1つ1つクリアして施工していくことが簡単そうで難しい。
写真のように形を加工された断熱材。
隙間なく押し込まないを両方叶えるために
充填する前にひと手間を…
今回は、繊維系断熱材ロックウールについて書かせて頂きましたが
断熱材の性能を低下させない為には
きちんとした知識と決められた施工を忠実に
実行できる技術力が必要だと思います。
また、お客さまの立場としては
工事現場に実際に見に行き、疑問に思ったことは
質問をなげかけることが大切だと思います。