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パッシブハウス・高性能住宅は資産価値が高い?

takaoka

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アーキテクト工房Pureではパッシブハウスや高性能住宅を建て続けていますが

果たして資産価値は高いのかを考えてみた

パッシブハウスとは

1991年ドイツのパッシブハウス研究所が規定する性能認定基準を満たす省エネルギー住宅で

・「年間の冷暖房需要(負荷)」

・「気密性能」

・「住宅全体の1次エネルギー消費量」

上記3つの項目の一定の基準を満たす必要があります

 

パッシブハウスの性能認定基準とは

・「年間の冷暖房需要(負荷)」

冷房25℃・暖房20℃の室温にする場合それぞれのエネルギー使用量を床1㎡に対して

1時間あたり15KW(夏:潜熱除く)以下

・「気密性能」

50Paの加圧・減圧時の漏気回数が気積0.6回以下(C値換算で0.2C㎡/㎡以下)

・「住宅全体の1次エネルギー消費量」

家電を含めた冷暖房・除湿・給湯・換気・照明に要する年間1次エネルギー量が120kwh/㎡以下

 

2009年に鎌倉パッシブハウスが森みわ氏(パッシブハウスジャパン代表理事)の設計によって

日本で初めて建築され2020年現在30数棟のパッシブハウスが日本で認定を受けていますが

EUをはじめアメリカ・中国・韓国・オーストラリア・ニュージーランドなど世界各国で

パッシブハウスは建設されています

 

90秒でわかる、パッシブハウス

 

90秒でわかる、パッシブハウス ご覧ください

 

高性能住宅とは

パッシブハウスの様な基準値をクリアーした場合などとの明確な基準・定義はありませんが

一般的に多く言われているのは

・気密性能が高い

・断熱性能が高い

・耐震性能が高い

・耐久性能が高い

上記4項目を高性能住宅と言われている事が多い様です

アーキテクト工房Pureの考える高性能住宅とは

・気密性能が高い ⇒ 隙間相当面積C値0.2C㎡/㎡以下

・断熱性能が高い ⇒ 外皮平均熱貫流率Ua値0.3W/㎡K以下

・耐震性能が高い ⇒ 耐震等級3(耐震等級1の1.5倍の耐震性能)

・耐久性能が高い ⇒ 長く劣化せずにメンテナンスの容易なもの
(化学物質の入っていない自然素材

 

 

資産価値とは

資産とは

会計学用語で、財務会計および簿記における勘定科目の区分の一つ

会社に帰属し、貨幣を尺度とする評価が可能で、かつ将来的に会社に収益をもたらすことが期待される

経済的価値のことをいう

広い意味では、経済主体(家計、企業、政府)に帰属する金銭・土地・建物・証券などの

経済的価値の総称のことをいい、一般的用法ではこの意味で用いられて

土地・家屋・金銭などの財産。法律で、資本にすることができる財産

 

価値とは

あるものを他のものよりも上位に位置づける理由となる性質、人間の肉体的、精神的欲求を満たす性質

あるいは真・善・美・愛あるいは仁など人間社会の存続にとってプラスの普遍性をもつと考えられる概念の総称

殆どの場合、物事の持つ、目的の実現に役に立つ性質、もしくは重要な性質や程度を指す

何に価値があり、何には価値がない、とするひとりひとりのうちにある判断の体系を価値観と言う

どれくらい大切か、またどれくらい役に立つかという程度。またその大切さ。ねうち

 

住宅の資産価値

 

資産価値とは資本にすることができる財産のねうちと言うことがわかりましたが

 

《一生に一度の大きなお買い物》と言われることが多い日本の住宅の資産価値は果たしてどうなのでしょうか?

国土交通政策研究が2006年に「住宅の資産価値に関する研究」の報告書が有りましたので一部抜粋させていただきます

 

日本における住宅の資産価値の現状

住宅は中古になった時点で価格が 2 割下落し、木造戸建の場合は築 20 年でゼロ査定

中古住宅市場は新築住宅市場の1/8

 

資産価値に影響を及ぼすもの

立地(交通利便性)
見栄え(見た目のきれいさ、設備の新しさ)
日照
空間的なゆとり

 

住宅の質への意識

耐震性:関心高いが価格への反映は建築年程度

遮音性、耐久性:関心高い(ただし価格への反映なし)

防犯性:関心高まる(価格への反映なし)

断熱性:関心中程度(情報があれば比較検討の指標になり得る)

可変性:関心低い

購入経験により重視する住宅の質が変わる

 

 

2006年の調査報告から14年経った現在、果たして変わってきているのでしょうか?

新築の場合多くの方は35年のローンで返済を行う方が多いと思われますが

いまだに建物の評価は20年程度で無くなり評価の無い建物に住宅ローンは

15年も払い続けないといけない現状は変わってはいないのではないでしょうか

スクラップ&ビルドと言われる日本の住宅文化

日本の法的耐久年数は

木造      ⇒ 22年

コンクリート造 ⇒ 47年

こんなにも短い

 

住宅の滅失までの期間

日本   ⇒ 30年

アメリカ ⇒ 55年

イギリス ⇒ 77年

海外とはこんなにも違いがありますしフランスの一部の地域では新築を建てると

100年間は解体許可が下りないところもあると聞いたこともあります

 

実際の物理的耐用年数

木造      ⇒ 65年 コンクリート造 ⇒ 120年 上記の様な研究も発表されていますし実際100年位建っている建物多くありますが 海外のように投資として資産価値を高くする為に何度も住み替える文化ではなく 《一生に一度の大きなお買い物》の日本の文化 資産価値を高める為にはどのように考えたらよいのでしょうか? そこで国の方で2009年より従来の「つくっては壊す」スクラップ&ビルド型の社会から、 「いいものを作って、きちんと手入れをして長く大切に使う」ストック活用型の社会への転換 を目的として、長期にわたり住み続けられるための措置が講じられた優良な住宅 長期優良住宅認定制度がスタートしました

長期優良住宅の基準とは

1.バリアフリー性

将来のバリアフリーリフォームに対応できるようになっていること

2.可変性

ライフスタイルの変化に応じて間取り変更などが可能になっていること

3.耐震性

極めてまれに発生する地震に対し、継続して住むための改修の容易化を図るため、

損傷レベルの低減を図ること(耐震等級2以上または免震建築物など)

4.省エネルギー性

次世代省エネルギー基準に適合するために必要な断熱性能などを確保していること(省エネルギー対策等級4以上)

5.居住環境

良好な景観の形成や、地域おける居住環境の維持・向上に配慮されていること

6.維持保全計画

定期的な点検、補修等に関する計画が策定されていること

7.維持管理・更新の容易性

構造躯体に比べて耐用年数が短い内装や設備について

維持管理を容易に行うために必要な措置が講じられていること

8.劣化対策

数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること(床下空間330mm以上確保、劣化対策等級3相当)

9.住戸面積

一戸建ては75m2以上、少なくとも一つのフロアの床面積が40m2以上あること

 

上記の条件をクリアーした長期優良住宅は2020年の11年間で1戸建て住宅は累計約111万戸建設されています

又、長期優良住宅で建築することによるメリットとして

・住宅ローンの優遇処置を受けられる

・税の特例処置を受けられる

・地震保険の割引が受けられる

などのメリットもあります

 

長期優良住宅で建築すると固定資産税は高くなるのか?と言う疑問があり地元の固定資産税課に問い合わせたところ

長期優良住宅でも一般の住宅でも資産税の評価は同じですとの返答

固定資産税は3年ごとに評価額の見直しが行われ20年から22年経過後には最低の評価額となり

建物が滅失されない限り払い続けなくてはならない税金です。

ただし長期優良住宅で認定を受けると戸建は当初5年間1/2が軽減されます

と言う事で資産価値が高い建物と言うわけでもなさそうですね

もし将来売買をする事になっても決して高く売れると言う保証もなさそうですね?

 

まとめ

新築住宅だけでなく中古住宅の改修も含めて

パッシブハウスや高性能な住宅で家の中で住まう人が暑い、寒いなどストレスを感じることなく

光熱費などお財布にやさしく環境にやさしい、そしていつ来るかわからない大きな地震に対しても安心で

呼吸する人間が、呼吸する素材の中で、誰にでも手に入る素材でメンテナンスができ

次の世代になっても壊すのもったいないよねと、長~く使い続けられるお家こそ資産価値の高いお家だと考えます

 

 

2021年01月05日パッシブハウス| 投稿者:takaokatakaoka

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