アーキテクト工房 Pure
マイホームを建てた後、気になること。
お家のメンテナンス。
家を建てる前にも
よくご質問いただきますが
「メンテナンスが要らない物にしたい」
そんな声もよく聞きます。
今回はそんな
外壁のメンテナンスについて。
CONTENTS
メンテナンス時期:目安/10年~15年
塗り壁で気になるところといえば
表面の汚れやカビ・クラック。
対処方法、商品も沢山ありますが
洗浄、分解除去などで
付着した汚れやカビを除去した後
撥水材(汚れやカビ等をつきにくくするため)を
塗布することをお勧めします。
下記、参考までにご紹介いたします。
こちらは、リムロクリーンA(特殊洗浄材)を使用。
まずは、表面にリムロを浸透させ 汚れやカビの元を浮き出させます。
・表面を水洗いし壁面を湿らせる。
・その後、リムロを塗布。
塗布してしばらくすると、薄茶色に変色します。
・汚れ・カビのひどい部分には、上記工程を繰り返していくことで除去。
・30分程度放置し、洗浄剤と浮き出てきたカビを洗い流します。
そして、きれいになったところで 撥水性を持つ 仕上げ材を塗布。
こちらは、プラスタガードを使用。
通常、撥水材の効力は2年~3年と言われていますが
プラスタガードは、10年と効力が長続きします。
”クラック”と呼ばれる 「ひび割れ」も
見逃してはいけないところです。
クラックにもいくつか種類があり
表面、塗膜だけの割れなのか
さらに深い割れなのかにより対処方法も変わります。
ひび割れの見た目から
外壁材そのものの劣化や躯体の劣化
そして雨漏りへも関係していきます。
白アリや、カビが発生しやすい環境にも
つながる可能性があるので 施工業者に相談しましょう。
メンテナンス時期: 目安/20年~30年
コーキング 5年~10年
ガルバリウム鋼板は
アルミニウム、亜鉛、シリコンの合金でできた メッキ鋼板。
耐熱、耐食性、熱反射性にも優れていますが
ガルバリウム鋼板自体は、非常にデリケートな素材です。
そのため
紫外線、風雨などにより劣化した塗装を
放置してしまうと錆び発生の原因にもなります。
錆びにもいくつか種類があり
・軒下や、塩害地域・高温多湿地域に多く見られる白錆び
・表面の傷から、内部の板金が露出することにより起こる赤錆び
・もらい錆びや他金属、木材の木酢液にも反応する接触腐食
定期的に、傷や錆びが発生していないかの確認と
表面に付着した
酸性雨や排ガス・異物などを洗い流すため
1年に1回程度
水洗いをしたほうが長持ちします。
20年・・30年・・・
この時期になると
ガルバリウム鋼板の表面が劣化してしまうため
再度保護する必要があります。
ガルバリウム鋼板は
表面にメッキが施されているため、塗料自体が接着しづらくなります。
正しい施工を行わないと、数年で剥がれ落ちてしまうことも。
専門業者でも難易度が高い塗装となるので
DIYは避け、専門業者へ相談することをお勧めします。
メンテナンス時期:目安/7年~10年
コーキング 5年~10年
窯業系サイディング
(ようぎょうけいサイディング
セメントと木質系成分を混合して製造される人工の外壁材)
セメントと木質系の繊維を練り合わせて固めており
最後に色や模様を付ける塗装しています。
表面に塗られた塗料が紫外線で劣化し
水を吸うようになると
サイディング自体も劣化が進んでしまいます。
サイディング自体が劣化する前に再塗装が必要です。
ただ、サイディングにはその時期の流行りがあり
サイディング自体が痛んだ時に同じ品番のものが
存在しない可能性もあります。
メンテナンス時期:目安/7年~10年
タイル目地 7年~10年
タイル自体の耐久年数は40年程度ありますが
目地については7年~10年になります。
タイル目地のメンテナンスを実施する時には
タイルの浮き具合を確認する
打診検査を行うことをお勧めします。
タイルが割れたり、剥がれたりした場合は
部分交換も可能ですが
タイルにはその時期の流行りがあり
サイディング同様
同じ品番のものが存在しない可能性も・・・
メンテナンス時期: 目安5~10年
外壁材自体の耐久年数は長くても
外壁材施工に必要となる
コーキングの耐久年数は、5~10年と言われています。
窓周りや、継ぎ目などに施される「コーキング」
特に外部では、紫外線劣化により
伸縮性が失われ固くなったコーキングは
ヒビ・割れなどが発生し、切れてしまいます。
そのため
こまめにコーキングの状態をチェックし
定期的にコーキングを打ち直す必要があります。
メンテナンス時期:目安/3年~
板張りはメンテナンスのタイミングが難しい素材。
ですが、昔からお寺や神社でも使用されているよう
長期的に使用可能な材です。
また塗装の種類によって、メンテナンスの時期も大きく変わります。
無塗装で使用する場合は
雨水により2~3年でリグニンが洗い流され
シルバーグレーに変色します。
※リグニン
セルロースとともに木材の構成成分として重要な高分子化合物
この色合いの経年変化を”味わい”だと
感じてもらえれば、木が朽ちるまで使用可能です。
一般的な木材保護塗料で塗装した場合は
3年~5年目安で再塗装することで 長持ちします。
素地が痛んでしまう前に 塗装をする
これを繰り返すことで
耐久性も向上するということになります。
板張りの外壁材を採用する場合、
部分的に取り外せる施工の工夫をすることで
痛んだ部分のみ
取り外し取り換えることも可能です。
メンテナンスの容易さは
メンテナンスの長い期間を考えても
重要なポイントになりますね。
また塗装する種類により
メンテナンス時期も変わるといいましたが
半永久的耐久性を持つと言われている商品も。
エコウッドトリートメント(水性粉未木部保護剤)
日本では、まだ十数年程度の実績になりますが
カナダでは60年間メンテフリーの実績があります。
優れた耐久性はもちろんですが
何より、天然素材のみを使った保護剤であり
環境にも人にも優しい。というのは、大きなポイントではないでしょうか。
着色用塗料ではないので
樹種、温度、天候等により色合いも変化するため
仕上がりの色味を選ぶことはできませんが
これもまた
自然の色を「味わい愉しむ」という楽しみ方になるのでは。
外壁の素材には沢山の種類があり
見栄えはもちろんのこと、耐久年数も様々です。
将来のことも考え、決めていくことが大切です。
10年後・・・
同じ柄の物が存在せず
継ぎはぎのお家になるのは悲しいですね。
人工的な外壁材の多くは
経年変化による汚れや劣化を
深みがある。味わいがある。と
とらえられる事は少なく
反対に
自然素材の場合は
経年変化も 味わいが出てきた。と
とらえられることが 多いのではないかと
個人的には感じています。
また
そもそも 家の
メンテナンスに対してのイメージが
面倒くさいこと、負担である... 等
マイナスのイメージとして
とらえられているように思います。
家も
植物を育てるのと同じように
メンテナンス ≒ 育てていく
という感覚で 受け入れることが
少しずつ手を加えてメンテナンスをすることも
苦ではなくなるのではないでしょうか。
永く住む家だからこそ
楽しんで 家と付き合っていきたいものです。