Pureコラム
PURE COLUMN

理想の壁とは 素材とは いったい何だろう?

takaokam

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室内で かなりの面積を占める壁

使われる素材や仕上げ方によって 表情も随分違ってきます

今回は そんな室内の壁(内壁)についてです

 

室内の壁の作り

 

室内の壁の作りは
以下のように二つに分けられます

 

・真壁(しんかべ)
柱と柱の内側に壁材をはさみこみ 柱が見える状態

 

 

 

・大壁(おおかべ)
柱を壁材で覆い 柱が見えない状態

 

 

 

昔の家では真壁が主流でしたが
今ではすっかり大壁が主流となっています

ただ

和風を重視したい場合には
柱が見える真壁を用いる場合があります

 

室内の壁の仕上げ方と仕上げ材

 

室内の壁の仕上げ方は

・クロス(壁紙)
・木材
・タイル

などを用いて下地の上に貼る
貼りの仕上げのものと

・漆喰
・珪藻土

などを用いた
塗りの仕上げのものがあります

 

貼りの仕上げ

 

クロス(壁紙)

 

一口にクロスといっても素材によりいくつかに分けられます

 

ビニールクロス

 

名前のとおりビニールでつくられたクロスです

デザインが豊富
工期が短い
費用が比較的手ごろ

などという理由から
日本の一般住宅で最も多く使われています

 

水拭きできるという
お手入れのしやすさも
選ばれる理由のひとつでもあります

 

但し
主原料のポリ塩化ビニール樹脂に含まれる化学物質が 体に及ぼす影響

そして
焼却した際に有害物質を発する

などということが問題視されてもいるようです

ちなみに海外では ビニールクロスはほとんど使われないようです

詳しくはコチラへ パッシブハウス・高性能住宅には自然素材を

 

布クロス

 

綿や麻などの天然繊維 レーヨンやポリエステルなどの合成繊維
などからつくられているクロスです

 

布の織目の凹凸がもたらす
重厚感や高級感
更に 丈夫なことから
ホテルなどにも使われることも多いです

 

ビニールクロスと比べると
継ぎ目が目立ちやすいので
施工が難しくなり
価格もやや高めとなります

 

紙クロス

 

パルプ 再生紙 和紙などからつくられたクロスです

 

 

紙そのものが持つ 柔らかな風合いが魅力です
自然素材ということから
身体にも環境にもやさしい素材といえます

しかしながら
紙ということで水や摩擦に弱く
ビニールクロスのように安易に拭き掃除などはできません

 

板壁

 

板張りの壁のことで
材料は「無垢材」や「合板」が使われます

 

 

壁全体を仕上げる方法と
腰の高さまで板を張り上部はクロスや塗りにより仕上げる腰壁といわれるものがあります

腰壁の場合
・傷みや汚れが生じやすい腰までの範囲が木によって守られる
・壁にアクセントをもたらす
というメリットがあります

 

更に
無垢材を選ぶことにより
断熱性・調湿性
木そのものが放つ香りによる癒し効果
が期待できます

 

タイル

 

タイルは
粘土や石などを原料とした焼き物なので
耐久性・耐火性 また防水性にも優れています
その為 キッチンや洗面所・浴室などによく用いられています

 

 

表面に釉薬を施されているかか否かで質感が変わり
大きさ デザインも実に豊富です

 

 

施工に手間がかかる為
初期費用は高めになりますが
耐久性があるのでランニングコストは決して悪くはないと思います

 

塗りの仕上げ

 

漆喰

 

漆喰とは
消石灰 スサ フノリを混ぜ
水で練ってつくられたものです

 

【消石灰】
サンゴや貝殻などが積もってできたもの
分かりやすくいえば
学校の校庭に白いラインを引く際の粉です

【スサ】
植物の繊維

【フノリ】
海藻からつくられた糊

 

漆喰には細かな穴があるので
湿気をコントロールしてくれます
昔の蔵の壁に漆喰が使われていたのが良い例ではないでしょうか
また
原料の消石灰が不燃性であることから
防火性も認められています
昔のお城の壁には漆喰が良く使われていました

作業的には
左官職人さんの細やかな手作業となるので価格は高めになってきます
また 塗る時間だけではなく 乾かす時間も要するので
仕上がりまでの期間が他のモノより長くなります

 

 

しかしながら その分
優しい趣きある仕上がりを得ることになるかと思います

 

珪藻土

 

珪藻土とは
藻の一種である 珪藻(ケイソウ)という植物プランクトンの殻が化石化して出来た土のことです
珪藻土だけでは固まらないので固める材料が必要になります

その際の注意点としては
自然素材である珪藻土の性質を損なわない材料(漆喰など)であることが望ましいかと思います

 

 

七輪や乾燥剤の原料としても使用されている珪藻土は
断熱性 調湿性 脱臭性 防火性 があります

こちらも
漆喰と同様職人さんによる手作業となるので
価格は高めとなります
乾く時間も要します

漆喰 珪藻土 
どちらも自然素材である為
身体や環境には 優しいものです

 

ヨーロッパで愛され続けるラウファーザー(ルナファーザー)

 

環境に優しいといえば
ヨーロッパで100年以上愛用されている
ラウファーザー(ルナファーザー)
もあげられます

 

 

木を細かく砕いたウッドチップとパルプ
からつくられ
通気性・透湿性に優れた塗装下地用の壁紙です

 

下地用なので
塗料を上塗りして仕上げます
その際の塗料は 自然由来のモノが望ましいです
10回ほど上塗り可能なのでエコでもあります

 

 

まずは無塗装でそのまま使い
何年か後メンテナンスの一環として 塗装をするのもありかと思います

10年おきにメンテナンスしたとして 100年はもつ計算になりますね

 

忘れてはいけないポイント

 

以上のように
室内の壁には様々な種類があります

 

何に重点を置いて選んだらよいのか 迷ってしまいますね

 

自分にとって 家族にとっての心地よい空間づくりに
大きく関係する室内の壁とは
いったい どのようなものなのでしょうか?

 

室内の壁とは 室内をぐるりと取り囲んでいるもの

いわば 住む私たちを取り巻くものです

私たちは 日々 室内の壁に包まれて過ごしているようなものです

 

 

つまりは

自分がどのようなものに包まれたら気持ちが良いだろうか?

肌に触れていたものとは?

自分が気持ち良く感じられる素材とは
いったい どのようなものだろうか?

その時の香りは?

 

などということを
少し想像してみたらいいかがでしょうか?

 

『毎日を気持ちよく過ごす』

 

これは
忘れてはいけないポイントだと思います

その為のお家づくりでもあるのですから

 

そういった観点からみますと
やはり
身体に優しい
呼吸をしてくれる自然素材の壁が良いのではないでしょうか

もうひとつ付け加えるならば
自然素材は環境にも優しいです

 

今だけではなく未来へ続く『気持ち良さを』を与えてくれる
サスティナブルな自然素材の壁こそ 理想の壁だと思います

 

2020年12月14日自然素材| 投稿者:takaokamtakaokam

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