日本の窓は海外に比べて遅れています

※※このブログは、新建新聞社さんの

「あたらしい家づくりの教科書」を

参考にして書いています。※※

海外は義務、日本は推奨

海外の多くの国では、

地球環境や国民生活を重視している傾向があるため、

省エネや健康対策である

窓の断熱性能、U値（熱貫流率）を義務化しています。

例えばドイツでは1.3ｗ/(m²・K)、

イギリスでは1.8ｗ/(m²・K)、

フランスでは2.1ｗ/(m²・K)、

お隣の国・韓国や中国では2.5ｗ/(m²・K)前後

と、定められたU値（熱貫流率）を下回る窓は

禁止されています。

我が国日本はというと、

「次世代省エネ基準」という基準を国が示しています。

これによるU値（熱貫流率）は、

北海道や北東北（青森県・岩手県・秋田県）で約2.3ｗ/(m²・K)、

宮城県・山形県・福島県・栃木県・新潟県・長野県で約3.5ｗ/(m²・K)、

沖縄県を除くその他の都府県で約4.7ｗ/(m²・K)

という数値になっています。

（※沖縄県は比較的暖かい気候で

冬の断熱の重要性はそこまで感じられないため、

基準の規定がありません）

ドイツやイギリス、フランスでは

1.3ｗ/(m²・K)～2.1ｗ/(m²・K)という数値なので、

日本の基準は低いということがわかります。

さらに、日本の基準は義務化されていないので、

推奨という形になり、

必ずしもその数値にしないといけない

ということにはならないのです。

日本と海外の差は樹脂窓の普及率でも

U値（熱貫流率）の数値の違いを述べてきましたが、

高性能窓である樹脂窓の普及率でも差が生まれています。

例えばアメリカでは新築の出荷の約７割、

ドイツでは約６割が樹脂窓で、

お隣の国・中国や韓国でも

樹脂窓は一般的な窓として使われています。

それに対して我が国日本はどうでしょうか？

次のグラフを見てみると、

樹脂窓だけのものは２割ほどとなっており

低いことがわかります。

アルミと樹脂の複合窓を合わせても半分ぐらいで、

逆を言えば、

高性能窓ではないアルミ製の窓の出荷割合が

いまだに半分近くを占めていることがわかります。

日本の窓が遅れている理由

なぜ日本ではここまで性能が低い窓が使われているのでしょうか？

それは、

①：日本には窓の断熱性能に関する法的義務（最低基準）がないこと

②：高性能なエコハウスに対する住まい手の意識がまだ低いこと

この２つが大きな要因だと考えられます。

①に関しては、

今年の2020年に「省エネの最低基準」が

義務化される予定でしたが、

数年前の国交省の会議で見送られる結果に

なってしまっています。

そのため、いつになったら

正式に義務化されるのか

わからない状況なので

今すぐに改善されるとは言えません。

しかし②に関しては

住まい手の皆さんが少しでも快適さの追求について意識をすることで、

快適な生活をより早く送ることができます。

住まい手の意識でより快適に

目に見えないものこそこだわりませんか？

のところでもお話したように、

お家を建てる前のアンケート結果で

こだわりたいという方が最も多かった項目が

「間取り」という「目に見える」ものです。

暑い・寒い・快適を表す「室内温熱環境」は、

目に見えないからか

建てる前のアンケートでは低いのが現状です。

室内温熱環境は、

窓の性能によっても変わってきますが、

最近では樹脂窓に続いて、

木製でも

アルミサッシ以上の気密性をもった

高性能な窓も出てきていて、

少しずつではありますが

日本でも高性能な窓が普及してきています。

そのためお家を建てる際、

窓の選択肢が増えたため

より高性能な窓を

「選ぶ」ことができます。

お家をつくるのは住宅メーカーや工務店ですが、

実際にそのお家に住んで暮らすのは

住宅メーカーや工務店とご契約をしたお施主様です。

人生で大きな買い物をしたからには、

自分のお家は他のお家以上に一番のお家でありたいと思うでしょう。

そんなお家づくりには

間取りも大事ですが窓も欠かせません。

窓は見えない省エネ性能で比べてもまだ見えるものです。

この機会に窓の性能について

今一度、考えてみませんか？

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