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「快適」と「快感」はちょっと違う



※※このブログは、新建新聞社さんの

あたらしい家づくりの教科書

参考にして書いています。※※



 

 

「快適」「快感」はちょっと違う

 

「快感」は長続きしない

「夏でも冬でも、体が適温の範囲でちょうどよく放熱をできる」

それが質の良い高い快適な温熱環境です。

【「快適な空間」=「夏涼しく」「冬暖かい」】

と思うかもしれません。

しかし実はちょっと違うんです。

【「快感」≒「涼しい」「暖かい」】

というように、快感に近いものです。

 

快感は、変化によってもたらされます。

例えば、

暑い屋外から冷房の効いた空間に入ると

「涼しい」と感じ、

寒い空間で薪ストーブの前に座ると

「暖かい」と感じますよね。

いずれも「暑い空間から涼しい空間へ」

「寒い空間から暖かい空間へ」

というように変化が生じています。

 

しかしこのような経験はありませんか?

「暑いから冷房をつけたけれど、ずっといたら寒くなった…」

「寒いからストーブの前に座ったけど、

ずっと座っていたら暑くなった…」

このように、快感は長続きせず

「不快」へと姿を変えてしまうのです。

 

極度の「快感」追求は体に悪い

極端に体が冷えたり温まったりすると

人間の体は危険を察知し、

体温を保とうと必死になります。

それはすなわち、

体温や血圧の急変動を招いて

体に大きなストレスをかけてしまうのです。

その例として報告されているのが、

北欧の「サウナと極寒の屋外とを行き来する」

という習慣です。

血圧の大きな変動で心筋梗塞脳梗塞

引き起こしてしまう恐れがあり、

体にとって大きなストレスになるといっても

過言ではありません。

このような症状は「ヒートショック」

と呼ばれ、日本でも身近に起こりうる

危険でもあります。

 

その例が次のイラストです。

このイラストでは、

おじいさんが浴槽の前で寒そうに震えている様子

表されています。

皆さんも似たような経験があるのではないのでしょうか?

お風呂は本来、体をあたためる場所であるべきです。

しかしお風呂に入る前、

「脱衣所で服を脱ぐ時、寒くて

熱めのシャワーを浴びたくなったり

熱めのお湯につかりたい。」

そして、「シャワーを浴びた後やお湯に浸かった後、

寒くて脱衣所に行くのが億劫になる」

なんてことはありませんか?

これこそヒートショックになりかれません。

「温度差」は体にとって、大きな負担なのです。

 

「快感」はエネルギー効率もよくない

たとえ暑くても寒くても

「光熱費を少しでも安くしたい!」

とお考えの方は少なくないと思います。

ご存じの方もいるかと思いますが、

暑い時に冷たい熱、

寒い時に熱い熱を生み出すことには

ムリがあり、

通常よりも多くの電気を消費してしまいます。

 

快感は変化のギャップが大きいほど

大きくなるので、

「暑いから涼しい」、「寒いから暖かい」

の度合いが大きくなればなるほど

気持ち良いと脳がとらえてしまうのです。

これでは光熱費を安くしたくても

悪循環が発生してしまいます。

 

「快適」はずっと居たい場所。住まいは「快適」であれ

快感は、快適とは違います。

快適な空間では、

体は最小限のストレスで

熱を逃がす量を維持でき、

体の各部位が適温に保たれます。

暑さ・寒さといった感覚も生じることなく、

体も心もリラックスしたまま、

ずっと長く居続けることができるのです。

 

大切なのは家族が織りなす生活そのものであり、

家はその舞台なのです。

 

 

 

 



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2020年04月23日家づくり・建築知識| 投稿者:アーキテクト工房 Pureアーキテクト工房 Pure
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