現場監督やまもとの現場日誌 No.30
今回のブログは
参照しています。
現代の住宅の外壁は
サイディングやガルバリウムなどが主流で
昔の家と違って
構造体の木が外に面していない
建物がほとんどです。
しかし、そうなってくると
木材に含まれる水分や室内の湿気などについての
考慮を怠ると
壁体内結露を発生させる要因になると思います。
そこで考案されているのが
「外壁通気工法」と呼ばれる
外に空気・湿気の通り道を作る工法があります。
今回はその通気について少し着目していきたいと思います。
ガイドラインでは以下のように示されています。
躯体内の換気及び通期の目的は、外部からの雨水や構造体の水分、そして室内からの水蒸気などを外気に放出し外皮内に湿気を滞留させないようにして木材の乾燥を促すことである。
特に通気層を設けることにより一次防水層である外装材から侵入する雨水を外皮の外へ逃がし、躯体内への雨水侵入リスクを軽減するのが最も重要な役割である。
つまり通気層は、壁への湿気をその場で留まらせることなく
空気の流れを作ることで、外へと排出するために考案されたもので
外壁に水分を定着させない、発生したらすぐに排出させるために必要なものになります。
余談にはなりますが、
他の役割として
大きな効果は見込めないとのことですが
日射によって熱せられた屋根・外壁などの熱の侵入も軽減する効果も併せ持っているとのことです。
木造住宅において通気の納まりを検討すべき主要な部分として⑫項目があげられています。
通気の確保は、主に断熱部の外周部が対象となります。
外と構造体が直接触れ合っていない部分は基本的に通気層の検討が必要ということになります。
以下が検討すべき⑫の項目になっています。
①小屋裏換気(排気孔)
②小屋裏換気(吸気孔・吸排気孔)
③屋根通気
④ベランダ・バルコニー
⑤外気に面する床
⑥物置車庫に面する床
⑦物置車庫に面する壁
⑧通気層入り口及び床下換気
⑨物置車庫に接する壁の通気口入り口
⑩壁(断熱境界ではない壁及び屋根を含む)
⑪ケラバ
⑫屋根
今回は、⑩の壁について着目していきたいと思います。
外壁には、仕上げによって下地が横と縦
2種類に分けられます。
通気層は、この下地と併用して構成されている場合がほとんどです。
それぞれの下地の種類によってガイドラインが定められています。
〇横下地の場合
〇縦下地の場合
それぞれの方向に合わせて下地の構成の仕方が考案されています。
どちらも原則として空気の通り道は30㎜以上
必要になってきます。
なぜ30㎜以上になったのかそこまでの資料を見つけることが今回できなかったので、
また通気の話をするときに深堀出来たらと思いますが、
通気層のさ構成はしっかりとガイドラインとして提示されています。
このガイドラインをもとに
空気・水分の出入りがしっかりなされるか検討する必要があります。
個人的に外壁の通気について
押さえるポイントとしては、
根本的なことかもしれませんが
「なぜ通気層が必要なのか」をまず知ることだと思います。
ただ単にいると言われて施工するのと
空気の通り道が必要で、本当に通るのかを検討しながら施工するのでは
大きな差が生じてくると思います。
家を長持ちさせるために考案されている「通気層」
どのように構成して、空気の出入り口を設けるのか
はたまたマニュアル通りで空気が動くのか
もっといい通気層の構成がないかなど
考えれることがまだまだたくさんあることを知りました。
また職人さんに頼りっぱなしでお任せしてしまう部分が多いですが
しっかりと知識を得て職人さんたちと検討して
よりより家づくりができればと思います。
(参照:木造住宅外皮の換気・通気計画ガイドライン(案) )