‟ドイツ・スイス・エコバウ建築ツアー2023” VOL.3
ヘルマン・カウフマン氏の建築視察
場所をドイツからオーストリアへ移動して建築家ヘルマン・カウフマン氏の案内で
ザンクトゲロルド村の歴史的修道院施設の改修現場
ヴァンダンス村の電力会社ビル
ゲツィス村の社会福祉的な木造集合住宅
上記の3個所を案内して頂きました
ザンクトゲロルド村の歴史的修道院施設に向かう途中2010年にパッシブハウス・ジャパンのツアーで
見たことのある建物が見えてきました。
2010年視察
2023年視察
私がパッシブハウス・ジャパンの賛助会員になって最初に参加したツアーだったこともあり
今でも鮮明に覚えている建物でした。
小さな村役場の施設で同じ建物の中に幼稚園も入っており
室内は床・壁・天井全てモミの木かトウヒが使われとても綺麗に納まっていました。
思わず代表理事の森さんにメッセンジャーで‟ここに来てます“と連絡を入れてしまいました(笑)
修道院は1000年前の納屋だった場所を宿泊施設に改修
修道院の全景模型
宿泊施設
版築
宿泊施設エントランスの壁
使われた素材は粘土と木(トネリコ・モミの木)で1000年前の木材も表し仕上げで
とても美しくまとめられていました。
1000年前の木材現し
シンプルなトイレ
カウフマンさんの話では‟解体の事を考えて接着していない”と言われていました
断熱材も含めて100%自然素材で改修されているのは素晴らしいですね(^^♪
ヴァンダンス村の電力会社ビル(水力発電)
会社はお休みだったのですが日本から視察に来ると言う事でわざわざ秘書の方が会社を開けていたようです。
社員食堂からのうらやましい眺め
300人が働いている会社でへき地でも働きに来てもらう為に高級な建物とし快適な空間としたそうです。
湖畔に突き出る様に建っている建物は木造4階建、工場でプレハブ化されたパネルを
現地で組立6週間で建て方が出来たとの事
水力発電会社の事務所で使っているエネルギーは当然100%自然エネルギーで
余った排熱は地域暖房として供給しているとの事
カウフマンさんが‟木は人に近い建材”と言う言葉がとても印象的でした。
パッシブハウス・ジャパンのメンバーですと紹介して頂くとカウフマンさんが
‟この建物PassiveHouseだよ”と答えて頂きました。
まとめ
ドイツとオーストリアそしてスイス(ミネルギー)の建物を視察し感じたこと
13年前に同じ建物をしさせさせて頂きその後何回かドイツ・オーストリアの
PassiveHouseを視察せていただきました。
視察するたびに性能だけではなく使用されている素材など環境の事や
持続可能な社会の事など日本はいかに遅れているかを気付かされます。
昨今の資材高騰で高くなるからとか、売れないからとか、いろいろと言い訳を付けて
‟成長する資源”からますます遠ざかって行くのではないかと思われます。
住宅ローンは35年~50年と長期にわたり支払いされていくのに建物の
資産価値は20数年で資産価値の無い建物となり住宅ローンだけが残っていく。
又、住宅ローンを借りる為に生命保険(団信)にまで入って命がけでお金を借りて住宅を建てるのですから
100年150年とメンテナンスが出来、使い続けられる資材を使ってPassiveHouseの様な高性能な建物であるべきではないでしょうか!!