※※このブログは、新建新聞社さんの
参考にして書いています。※※
高断熱窓の代表が、窓枠に樹脂を使い、
高性能ガラスを組み合わせた「樹脂窓」です。
なぜ樹脂窓は高断熱なのでしょうか?
熱を伝えやすい物質としては
金・銀・銅が良く知られていますが、
実はアルミもそれらに匹敵するくらい熱を伝えやすい物質です。
アルミは一般的な建築用材料である鉄に比べて約3倍、
ステンレスに比べると約16倍も熱を伝えやすいので
断熱性能はあまり期待できません。
一方、樹脂は極めて熱を伝えにくく、
アルミの約1400分の1となっています。
なので樹脂窓は、部材・素材としても
圧倒的に断熱性能が高いことが言えます。
窓は窓枠とガラスで構成されます。
ガラスが大きな面積を占めているので、
ガラスだけを断熱性能の高い高性能ガラスにするだけでも
しないよりかは窓のU値(熱貫流率)を小さくすることができます。
ただし、ガラスだけを高性能にしても
「結露」が発生してしまう可能性があります。
のところでお話したように、
高性能なガラスだけでは
低温によって壁内で内部結露を引き起こし、
お家の構造まで傷めてしまうのです。
一方、樹脂窓は、壁内の枠部材まで低温になりにくい
高断熱の樹脂なので、
結露が発生してしまう心配はほとんどありません。
断熱性能はもちろん、
結露対策まで考えた窓こそ
真の高性能窓であり、
完成度も高いので
樹脂窓は優れていると言えます。
樹脂ときくと、「弱い、もろい」
といった印象を持たれがちですが、
種類がいろいろあるので
一概にそうではありません。
よく使われている樹脂は
「ポリプロピレン」で、
洗濯バサミやバケツなどに利用されています。
このポリプロピレンは
日差しに弱い傾向があるので、
古くなった洗濯バサミが破損しやすい
ということが起きているのです。
一方、樹脂窓には耐久性に優れた
「PVC(塩化ビニル)」
が使われています。
PVC(塩化ビニル)は
自動車の部品や地中の下水管などに幅広く利用されています。
また、50年間の保証を行っている製品もあり、
すでにその耐久性が実証済みとなっていて、
樹脂窓の素材としても
30年ほど前から使用されています。
さらに、樹脂窓は寒い地域はもちろんのこと、
赤道に近いタイやインドをはじめ、
世界中の住宅に使用されています。
これらのことから、
樹脂窓の耐久性はすでに十分な使用実績によって
証明されているのです。
樹脂窓には3つのチカラがあります。
樹脂の高い断熱性により
窓からの熱の出入りを大幅に抑えます。
例えば一般的なアルミと樹脂の複合窓(LOW-E複層ガラス)との比較では、
冬の窓からの熱の流出を3割近く削減できるところまで
断熱性能が高くなっています。
もちろんお家全体の断熱性能にも大きく貢献していて、
高断熱なお家をつくるには
まず窓を樹脂窓に変えることが
効果的で効率が良い方法になります。
窓の種類やサイズによって断熱性能が変わってきます。
(詳しくは「窓の歴史」から)
そんななか樹脂窓は、
ガラスと窓枠の断熱性能に差がないので
サイズや形が変わっても熱の出入りの変化が少なくて済みます。
これにより設計の自由度も増し、
窓の大小、数、配置場所なども
柔軟に対応できるのです。
熱の出入りが少なければ
室温を保つために必要な熱も少なくて済むので、
省エネにとても効果的です。
それはまた、室温の変動を穏やかにし、
上下の温度差も少なくなるので、
ムラのない快適な環境を生み出します。
樹脂窓を使った高性能なエコハウスでは、
暖房している部屋としていない部屋の温度差を
ほとんど感じないレベルまで小さくすることができます。
これは浴室やトイレなどで頻発する
ヒートショックの防止にもつながります。
冬、住まいを暖かく保つことで、
現在、様々な健康へのリスクを減らすことが明らかになってきています。
樹脂窓は省エネに貢献する窓であるだけでなく、
健康で快適な生活を支える窓でもあるのです。
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