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窓の歴史
※※このブログは、新建新聞社さんの
参考にして書いています。※※
窓のないお家を想像できますか？
当たり前のようにそこにあり、
毎日なにげなく接している窓。
でも、窓のない家を想像してみて下さい。
暗く閉ざされ、光も風も入ってこないし、
外の景色も見えない。
そんなお家で暮らせるでしょうか？
私たちの生活になくてはならないもの、
それは窓です。
窓ーwindowの語源は「風の目、風の穴」。
もともとは石造りの家の壁に開けた、
風を取り入れるための穴だったそう。
人はその穴を使い、
「どうやって日差しや風、温かさや寒さをうまく調節しようか？」
「その結果どうすれば気持ちよく暮らせるのだろうか？」
と、長い歴史をかけて試行錯誤を繰り返してきました。
その知恵の結晶が、現在の窓です。
木製建具からアルミサッシへ
戦後、日本の家は木製の戸や窓が主流でした。
今でも築50年以上の古いお家には
木製の戸や窓が付いているのを見かけます。
風が吹くとガタガタ音がなり、
冬には冷たい隙間風が入ってくるなど、
快適とはいえないものでした。
高度経済成長と人口増に伴う住宅建築ラッシュが本格化した1960年代後半、
アルミサッシというアルミニウム製の窓枠が爆発的に普及しました。
アルミニウムは加工しやすいことから
大量生産に向いていて急速な住宅需要に最適だったそうです。
また、隙間風を防いだり、何年使っても丈夫で動きも悪くならないなど、
木製の窓では難しかった問題を大きく改善したことにより、
爆発的な普及が起こったとされています。
しかし当時たくさん使われていたアルミサッシには、
「断熱性能の低さ」
という当時はあまり意識されなかった大きな問題が潜んでいます。
「非常に熱を伝えやすい」
というアルミニウム特有の性質からの問題です。
しかし当時は
「大量生産・大量消費」をするために、
断熱よりも加工のしやすさや軽さを重視していました。
その結果、断熱性能にあまり優れていない
安価なアルミサッシがたくさん流通したということです。
その背景は今も残っており、その時期に建てられた建物は特に
断熱性能が高いサッシになかなか切り替えられていないという現状があります。
アルミサッシからアルミ樹脂複合サッシへ
1990年代に入って、お家の断熱性能が注目され始めるとともに
窓にも断熱性能の向上が求められ、
新たにアルミと樹脂を使った
「アルミ樹脂複合サッシ」が誕生し、
今も多くの新築住宅で使われています。
アルミ樹脂複合サッシとは、
窓枠の外側がアルミ、室内側が樹脂でつくられた窓のことです。
アルミサッシにはなかった樹脂を使うことで
断熱性能が向上し、スタイリッシュな見た目になりました。
樹脂窓の普及
アルミ樹脂複合サッシが普及する前、
主に北海道で冬の厳しい寒さに対応するため、
より高い断熱性能をもつ「樹脂窓」が
使われ始めました。
樹脂窓は窓枠が全て樹脂でできている窓です。
それまでの窓よりも断熱性能にとても優れていて、
2000年代に入って改めて着目されています。
今では日本全国に広まりつつあります。
１枚ガラスから２枚、３枚ガラスへ
ガラスも、かつては１枚ガラスが主流でしたが、
今は空気層を２枚のガラスで挟んだ「複層ガラス」、
ガラスを３枚重ねて中空層
（材料の間に断熱や遮音の目的で設ける空気の層）に
アルゴンガスやクリプトンガスなどの特殊なガスを注入した
「トリプルガラス」などの高性能ガラスがどんどん登場しています。
それらは全て、より高い断熱性能を確保するためのものです。
今の窓は、
日差しや暑さ寒さ、
空気の入れ替えなどを上手に調節し、
さらには景色の眺めを楽しませてくれたり、
お家の内観や外観をおしゃれに飾ってくれたりと、
昔とは比べようもないほど進化を遂げ、
私たちの暮らしに豊かさと快適さを与えてくれています。
窓は誰もがあまり意識しないところで
実はとても重要な役割になっています。
その役割を知り、窓を考えること、
それがお家づくりに欠かせない大切なことです。
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