スタッフブログ
STAFF BLOG

日本VOC測定協会のセミナーに参加して

10月1日をもってアーキテクト工房Pureも17期に入りました

 

早いですねあっという間の16年間だったような気もします

 

 

 

さて、その17期初日に日本VOC測定協会主催のセミナーを聴講してきました

テーマは

『快適な室内空気環境の実現を目指すには―室内VOC問題は解決されたか』

 

この日本VOC測定協会の存在は知っていたのですが

 

今回事務局をされている光輝建設㈱澤田社長より直接お電話をいただき

 

是非、セミナーに参加してほしいとの依頼を受けての参加となりました

 

 

建物の高気密化が進むにつれて化学物質が問題になっていくことは間違いないので

 

私にとっては興味のあるセミナーでした

 

 

 

 

 

 

VOCて何?

 

家の中には壁や床に使われる建材や塗料、接着剤などにも化学物質があり家具

 

カーペット、カーテンや洗剤、化粧品などの日用品や洋服などにも化学物質は含まれています。

 

代表的なものとしては、ホルムアルデヒドやトルエン、キシレンなどがあり

 

これらの化学物質を揮発性有機化合物=VOC(Volatile Organic Compounds)と言います

 

よく聞く言葉としては『シックハウス症候群』皆さんは聞かれたことはないですか?

 

「シックハウス症候群」とは新築の家、リフォームしたばかりの家に入居した後、

 

「目がチカチカする」「頭やのどが痛い」「めまいや吐き気がする」

 

などの症状が出て、体の調子が悪くなる病気のことを言います

 

 

実は私の以前住んでいた家も28年前に新築をし入居後すぐに

 

母親が「頭が痛い」と言い出して病院に通っていたのですが

 

原因がわからずそのうち頭の痛いのも治りましたが、おそらく

 

その頭痛の原因がVOCだったのは間違いないかと思っています

 

その後TV、雑誌などで「シックハウス症候群」という言葉をよく聞くようになり

 

平成15年7月1日より建築時基準法が改正され

 

シックハウスの原因となる化学物質の室内濃度を下げるため、

 

建築物に使用する建材の規制・24時間換気設備の設置が義務付けされ現在に至っています

 

 

 

 

今回のセミナーとしては

 

北見工業大学准教授 高井和紀氏による

「測定例から見たVOCの現状」

 

 

北見工業大学名誉教授 坂本弘志氏による

「VOCに関わる換気で知っておきたいこと」

 

上記のようなセミナー内容です

 

 

高井先生の「測定例から見たVOCの現状」のお話の中で

 

VOCを測定することは人間でいうと健康診断を受けているのと同じことだと言われていました

まずは現状を知ること問題なければ《良好で安心》

 

問題があれば《対策してそして安心》

 

 

VOCの測定方法としてはアクティブ法とパッシブ法の2種類があり

 

日本VOC測定協会ではアクティブ法による分析をおこなっており

 

 

・アクティブ法測定方法は

 

吸引ポンプを用いて室内の一定量の空気を吸引し、

 

吸引入り口に取り付けた捕集管で採集するものを分析を行う方法で

 

測定された結果に対する信頼性は高いといわれています

 

 

・パッシブ法の測定方法は

 

VOCを捕獲する専用のサンプラーを室内に吊るして測定

 

大きな違いはアクティブ法では30分

 

パッシブ法では24時間なる測定で時間が大幅に異なること

 

その結果、アクティブ法ではVOCの最大濃度

 

パッシブ法では平均的濃度の測定となる

 

 

費用等の面からもパッシブ法の方がよく採用されているような話ではありましたが

 

信用性の面から見ても日本VOC協会では8物質を分析している

 

アクティブ法の方がやはり安心かなと思いました

 

が、全国でどのくらいの件数を分析されているかというと

 

2018年では全国で60件くらいしか分析依頼がないとのことで

意外と少ない印象を受けました

 

東北・四国・九州エリアではアクティブ法での分析依頼は全くないとのこと

(各会社でパッシブ法での分析しているところはるのかもしれませんが?)

 

分析結果はどうなっているかと言うと

 

国の決めている指針値をオーバーしているのも減少しているようで

 

つかわれている建材がF☆☆☆☆だったり24時間換気が機能しているのではないかと

 

思われるようですが、意外に指針値オーバーの原因として

 

建物の完成時に行う美装で使う床クリーナーや床ワックスなど

 

又は完成後に持ち込まれたカーテンや家具類からの指針値オーバーが多いらしいですね

 

いくら施工業者が使う素材等を気を付けていても施主さんの持ち込まれる家具などがあげられるようです

 

では、数値がオーバーしていた場合はどのような対策をとるか?

 

1.自然放散(換気をしっかりして経時変化で数値を下げる)

 

2.べークアウト(2日間室温を30℃まで温度を上げて強制放散させる)


VOCは揮発性有機化合物なので揮発してしまうと数値は下がるので

24時間換気がとても大事になるようです

 

まとめとして

VOC測定を行って安全・安心を手に入れましょう

 

 

 

引き続いて坂本先生の「VOCに関わる換気で知っておきたいこと」では

 

1.現在の換気設備が抱える問題点とは

 

2.熱交換換気についての知っておきたいこと幾つか

 

3.換気に求められる住宅の気密レベルは

 

4.第3種換気での室内に生じる負荷の大きさ

 

5.室内のVOC濃度と換気回数の関係は

 

6.換気回数0.5回/hの根拠とその是非は

 

7.給気型第2種換気は何故普及しないのか

 

この7項目の話をされました

 

 

私が特に気になったところは

 

3.換気に求められる住宅の気密レベルは

アーキテクト工房Pureの気密レベル0.1~0.2㎝/㎡だとなんの問題も無し

 

 

5.室内のVOC濃度と換気回数の関係は

一般住宅では室内の炭酸ガスの許容濃度1000ppm以下に保持する上で

換気回数が0.5/hとすることが建築基準法施行令に定められているが

シックハウス新法における一般住宅の換気回数0.5回/hも

これに準拠して定められたものと考えられ

この換気回数0.5回/hに関しては、その能力を有する機械換気設備を設けるものであって

換気回数0.5回/hが確保されているかどうかの検証は

義務付けされていないのが最大の欠点であり、盲点となっている

VOCのことだけで言うと換気回数は0.5回/hでの換気回数の方が

VOC濃度の低減化に対して極めて有効であること

 

VOC濃度だけのことで言うと換気回数は0.5回/hが良いが

熱損失だけで言うと当然でしょうが0.3回/hの方が良くなり

 

もともとVOC濃度の少ない室内環境であれば熱損失を優先させる方が良いのでは?

 

と言うことになるのでしょうか?

 

 

どちらにしてもVOCの測定を行って安心して換気回数も調整できる方がベストと言うことですね

 

 

坂本先生のお話は非常に解りやすくアーキテクト工房Pureが普段気を付けて施工していることなどが

 

当てはまっている項目も多くて安心はしましたが

 

いくら自然素材を使っていても接着剤とか持ち込み家具などで

 

VOC濃度が指針値を超えていない確証は得ないために

 

今後はVOC濃度の測定も行っていく方向で検討したいと改めて思いました

 

もう少しVOCのことを勉強して今以上の安心できる建物を建てていきたいと考えました

 

良いお話を聞かせていただきありがとうございました(^^♪

 

 

高岡でした

2019年10月05日まじめな話| 投稿者:高岡高岡
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

アーカイブ

ブログ内検索

お問い合わせ・資料請求