
建物と庭がつくる季節の景色
こんにちは
10月に入って暑さがだいぶ和らいで、秋らしくなってきましたね。
今日は「秋の借景」について書きたいと思います。
季節が変わると、建築も表情を変える
秋になると、朝夕の光が低くなり、木々の影が建物の壁に長く伸びます。
夏に青々としていた庭の木々は、少しずつ赤や黄に染まり、
その色が窓越しに室内へと映り込みます。
建築は単に「形」ではなく、まわりの自然と一緒に完成するもの。
秋の庭や植栽は、その関係をもっと美しく見せてくれる季節です。
借景という設計の考え方
日本の建築には昔から「借景(しゃっけい)」という考え方があります。
外の風景を“借りて”、建物の一部として取り込むデザイン手法です。
現代の住宅でも、
・窓の位置を少しずらして樹木をフレームに入れる
・ウッドデッキから紅葉を見上げるように設計する
といった工夫で、日常の景色がぐっと豊かになります。
秋の葉が落ちていく過程までを“変化する借景”として捉えるのも
季節のある日本らしい美しさだと思います。
光と影がつくる季節の表情
秋は日差しの角度が低く、やわらかい光が壁をなでるように差し込みます。
この光を生かすには、植栽と建物の距離感が大切です。
たとえば、窓のすぐ外にモミジを植えると、
風が吹くたびに葉の影が揺らぎ、室内の壁に模様を描きます。
照明ではつくれない自然の「動く影」です。
建築のデザインは、こうした時間のうつろいをどう受け止めるかでも決まります。
外構と建築の“つながり”を育てる
外構を後回しにせず、建築と同時に計画することで、
住まい全体の印象がぐっと変わります。
・玄関アプローチに季節の落ち葉を取り入れるデザイン
・外壁材の色味を紅葉に合わせて選ぶ
・リビングの大きな窓の先にシンボルツリーを配置する
どれも難しいことではなく、
“秋の景色をどう暮らしの中で感じたいか”を思い描くことから始まります。
季節と共に育つ建築
建物は完成した瞬間がゴールではなく、季節の変化を通して時間と共に育っていくもの。
秋の風、落ち葉の音、夕方の光...
それらを迎え入れる余白を設計することが、本当の意味での「豊かな建築」なのかもしれません。
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