現場監督やまもとの現場日誌 No.35
今回も前回に引き続き
『建もの燃費』に関わるブログになります。
建ものの燃費にも
車の燃費『km/L』のように
単位が存在しています。
車の場合、
例えば
燃費が20km/Lで
40L給油できる車だとします。
すると走れる距離は
20km/L×40L=800kmとなり
おおよそではありますが
どのくらいは走れるのか
すぐに計算することが出来ます。
また、
ガソリンの単価を給油量にかけ合わせることで
燃料代も知ることが出来ます。
前回も書かせていただきましたが
ここまで車の燃費の概念が浸透しているのは
分かりやすく・簡単に知ることができ
お金もすぐに分かるという所だと
個人的に思っています。
そこで建ものの燃費が
どのように表現されているのか解説していきたいと思います。
車でいう『km/L』が
建ものになるとどのような単位で表現されているのでしょうか?
大きく分けて燃費の単位は2つあります。
1つ目が、日本のエネルギーパスやエネルギー消費性能計算プログラムで使用されている
GJ(ギガジュール)/棟・年
2つ目は、主にEUのエネルギーパスに使用されている
kWh(キロワットアワー)/㎡・年
どちらもあまり見慣れない単位で何を表しているか
すぐに理解することが難しいかと思いますが、
この2つ単位はお互いに換算することが可能※となっています。
※1kWh=3.6MJ(メガジュール)
1GJ(ギガジュール)=1000MG(メガジュール)
1棟は120㎡に相当します。
その他、定温設定や給湯需要、内部発熱量など様々な条件を合わせる必要あり
この2つが
建もの燃費に関わる
『一次エネルギー消費量』を表す単位になっていますが
いまいち把握しづらいのではないでしょうか。
個人的に分かりやすかった
kWh(キロワットアワー)/㎡・年
の方について解説していきたいと思います。
kWh(キロワットアワー)は、
見かけける方も多くいるのではないでしょうか。
(例:四国電力 電気ご使用量のお知らせ)
そう、電気の使用量として使われている単位が
kWh(キロワットアワー)になります。
W(ワット)は、電力・仕事量の単位で
1kW=1000W
それに時間の単位あるh(一時間)を組み合わせることで
一時間当たりの電気の使用量を表しています。
それに後に続く
㎡は床1㎡あたりを
年はそのままで年間通しての範囲を表しています。
よって、
『kWh(キロワットアワー)/㎡・年』は
年間に床面積1㎡あたり〇〇〇kWhの電力が必要もしくが消費しているのかを表しています。
燃費の単位について解説が終わったところで
今回最後に電気料金の求め方を簡単ではありますがご紹介していけたらと思います。
具体例を
弊社でオススメさせていただいている
3つの設備を使ってご紹介していきます。
※前提条件として1kWh=22円にて換算していきます。
・消費電力 11W(h)
消費電力 11W(h)÷1000×22円/kWh=0.242円
0.242円×24時間=5.808円/日
5.808円/日×365日=2119.92/年
電気料金:一日あたり 5.8円
一年あたり 2120円
・消費電力 16.4~84.6W
消費電力(min:16.4Wの場合)
16.4W(h)÷1000×22円/kWh=0.3608円
0.242円×24時間=8.6592円/日
5.808円/日×365日=3160.608/年
消費電力(max:84.6Wの場合)
84.6W(h)÷1000×22円/kWh=1.8612円
0.242円×24時間=44.6688円/日
5.808円/日×365日=16304.112/年
電気料金:一日あたり 8.7~44.7円
一年あたり 3160~16,304円
※換気の弱・中・強のモード等によって変動する。
・年間消費電力 1,390kWh
1,390kWh×22円/kWh=30580円/年
電気料金:一日あたり 84.9円
一か月あたり 2548円
一年あたり 30580円
以上3つを具体例として
電気料金の計算を行ってみました。
電気料金は、電気会社との契約プランで変動するかと思いますので
それを当てはめるとお家の燃費から
おおよその光熱費も求めることが出来ます。
すこし小難しい単位ではありますが
しっかり理解することで
燃費表示を見たときにその建ものが
燃費が良いのか悪いのか判断することが
出来るようになるかと思います。
建ものを同じように比較できるものさしの
一つが「燃費」になります。
家づくりで当たり前のように
比較対象として必要とされる時代が
もうすぐそこまで来ているように思います。