※※このブログは、新建新聞社さんの
参考にして書いています。※※
近年、暑くなってくると問題視されるのが熱中症です。
総務省によると、
2019年8月の全国における
熱中症で救急搬送された人は
36,755人だそうで、
これは昨年8月の救急搬送人員30,410人と比べると
6,345人多くなっているそうです。
最近では熱中症について広く知られてきていることもあり、
2019年、初診時に熱中症で死亡が確認された方は
78人となっています。
熱中症で緊急搬送される人は年々増加していますが、
幸いなことに多くの人は、
病院で少し休憩されると元気を取り戻し、
それぞれの元の暮らしに戻っています。
ではこの熱中症に対して、
冬、低温の影響を受けて亡くなっている方(主に浴室で)は
どれくらいいるでしょうか?
2019年の消費者庁の発表では、
2018年の高齢者の不慮の溺死及び溺水の死亡者数は
7088人に及んだそうです。
その7088人のうち5072人が浴槽内で死亡したとされていて、
3分の2以上を占めていることがわかります。
さらに、東京都における
2018年の高齢者の溺水事故による救急搬送者数は
上のグラフでもわかるように、
11 月~3月の冬季に多くなっており、
夏より冬の方が
緊急搬送されている人が圧倒的に多いことがみてとれます。
なぜ浴槽内での高齢者の不慮の溺死及び溺水の死亡者数や
溺水事故による救急搬送者数が多いのでしょうか?
それは、高齢になると血圧を正常に保つ機能が低下するため、
「ヒートショック」を引き起こしやすくなってしまうからです。
このヒートショックが入浴中に起きると
溺水事故につながると考えられています。
【ヒートショックについて詳しくはこちら!】
また、ヒートショックは高齢者がなりやすいですが、
若い人もなりうるものです。
ヒートショックの引き金になるのは、大きい温度差です。
10度違うと危険とされています。
健康な若い人であっても、
温度の急激な変化が起これば血圧が乱れるおそれがあり、
それに身体が対応できないと、
めまいやふらつきといったヒートショックの症状が起き、
そのまま意識を失って転倒や溺死という結果を引き起こしてしまいます。
特に、
〇飲酒直後に入浴する
〇食事の直後に入浴する
〇一番風呂に入る
〇深夜に入浴する
〇熱い湯(42℃以上)に長時間首までつかる
〇血圧や心臓に持病がある
というような方は
急激な温度の変化に
体が対応しきれない可能性が高まるので要注意です。
ヒートショックを防ぐにはどうしたら良いのでしょうか?
〇冬でも暖かいお家にする
〇お家の中での温度変化があまりないお家にする
つまり、
高断熱・高気密なお家にする
というのが効率的で
暮らしていて手間があまりかかりませんが、
高断熱・高気密に優れたお家を建てる、
高断熱・高気密なお家にするためにリフォームをする必要があるので、
すぐにできるものではありません。
すぐにできる簡単な対策として
一般的には、
〇飲酒直後の入浴を避ける
〇食事の直後の入浴を避ける
〇一番風呂を避ける。
浴槽が温まってから入る(2番風呂など)
〇深夜の入浴を避ける
〇熱い湯(42℃以上)に長時間首までつからない。
ぬるめのお湯(40℃くらい)に浸かることを意識する。
などを行うことです。
ただ、これらを行うことで
生活においてストレスを感じる方もおられると思うので、
できることならストレスフリーな生活を送るためにも
高断熱・高気密なお家にしたいものです。
高断熱・高気密なお家にしようとすると、
膨大なコストがかかるというイメージをしがちですが、
高断熱・高気密ではないお家を、
冬でも暖かくて
お家の中の温度変化があまりないお家にするために
そのぶん暖房機器を買うお金や光熱費がかかるので、
何年、何十年も住むことを考えると
最終的にかかるお金の差がなくなってくることも。
夏の熱中症はニュースなどでよく報じられていますが、
冬のヒートショックはニュースなどであまり見かけません。
なので、どうしても熱中症に目がいきがちです。
さらに、熱中症の対策などはすでに多く広まっているので、
ニュースなどを見て知識を得れば熱中症対策は行いやすく、未然に防ぐことができます。
一方でヒートショックは熱中症ほど
あまり見聞きしないせいか
その言葉さえ知らない人もいるのが現状だと思います。
しかし多く方に知ってもらいたいのは冬のヒートショックです。
知らないうちにヒートショックにならないために
お家の性能について考えてみましょう。
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