※※このブログは、新建新聞社さんの
参考にして書いています。※※
「断熱」というものをご存じでしょうか?
身近なもので簡単に言うと、
「どれだけ厚着しているか?」
ということです。
また、同じ厚さでも服の中に入っているのが
綿なのかダウンなのかによって暖かさが違いますよね。
この同じ厚さにおける素材の違いは、
お家でも似たようなことが言えるのです。
もうひとつ重要なものがあります。
これも服に例えて考えてみましょう。
頭・耳・上半身・手のひら・下半身・足元‥‥
といったそれぞれの部位に最適な服の
「厚さと素材」が必要です。
実際のところ、
上半身はダウンジャケットで
下半身は半ズボン…
そんな不自然な服の選び方をする人は
よっぽどのことがないかぎりいないと思います。
住宅にあてはめて考えると、
窓・外壁・換気・屋根・床・基礎の
それぞれの部位において
理想的な厚さと素材、性能の断熱材が必要です。
それと同時に
それぞれの部位のバランスも取れていないと
「お金はかけているのに暖かくない」
ということになってしまいます。
服の場合、個人個人が毎日着替えることによって
実験を積み重ねています。
また、寒がりの人はそうじゃない人より
しっかり防寒対策をしていると思います。
ところが、住宅の場合、
一度つくってしまうと「着替える」
ということがなかなかできません。
「どの服を着たらどのくらい暖かいのか、寒いのか」
つまり、
「どの程度断熱すれば暖かいのか、寒いのか」
ということが全ての設計者が必ずしも
はっきりとつかめていません。
また、
「自分の暖かさの感覚は万人に共通する」
「今まで建ててきた住宅の暖かさが当たり前」
というあまり意味のない思い込みを
してしまっている現状も
少なからずあるようです。
大半の日本の住宅のレベルは、
冬に半袖短パンで過ごしているようなもので
ドイツなどの住宅発展国と比べて
断熱性能は高くはありません。
先進国では、
「最低室温」が法律や条例で決められているのに対して、
日本では決められていません。
この最低室温は、
18℃~21℃ぐらいに決められていることが多く、
かなり厳しい断熱基準が義務化されたりしています。
住宅先進国では、
法律や条例のおかげで、
お家を建てようと考えているみなさんが勉強しなくても
暖かいお家に住むことができますが、
我が国日本では最低室温が決められていないので
暖かいお家を建てようとすると、
多少は勉強しなくてはなりません。
また、数年前、今年の2020年に「省エネの最低基準」が
義務化される予定でしたが、
国交省の会議で、見送られる結果に
なってしまっています……
そのため、
寒さをしのぐために
エアコンなどでお家をあたたかくしないといけません。
それでは光熱費がたくさんかかってしまう他、
快適性の面でも大きく劣ってしまいます……
「自分が快適な温度を
自分のお財布の状況で維持できる」
そんなお家を建てるには、
設計者選びや工務店選びを
しっかりする。
それがこれからお家を建てる皆さんにとって
一番大きな課題と言えるにではないでしょうか。
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