気密シートの必要性

こんにちは。

今回は、充填断熱に調湿性をもつ断熱材を施工したとき、

気密シートを貼る場合と貼らない場合でどういったことが

起きるのかについて書きたいと思います。

気密シートを貼る場合

気密シートを貼る場合は次のようなことが考えられます。

・壁内結露のリスクが大きく減る

ウッドファイバーは湿気を吸ったり吐いたりする性質がありますが、

内部に湿気をため込むには限度があります。

しかし、気密シートを貼ることで、

室内側の湿った空気が壁に入る量を大きく減らすことができます。

・断熱材が乾燥状態を維持しやすい

湿気が入りにくいということは、壁内の断熱材が

常に乾いた状態に近くなるということになります。

断熱材が乾燥していると形状も安定し、

断熱性能も維持しやすくなります。

・気密が確保でき、室内環境が安定しやすい

気密シートには”防湿”と”気密”の役割があります。

気密シートを貼ることですき間風が入りにくくなるため、

冷暖房効率が上がり、室内の温度ムラも起きにくくなります。

気密シートを貼らない場合

気密シートを貼らない場合は次のようなことが考えられます。

・壁内結露のリスクが高くなる

室内の湿気が壁の中へ入り込むと、

冬は冷たい部分で結露が起こりやすくなります。

夏の場合も、冷房をかけて室内側が冷えていると

逆転結露が起こることもあります。

それが長く続くと壁内の断熱材や柱が湿気を含んでしまい、

性能低下や腐食につながります。

・断熱材の沈み・密度ムラが起きる可能性

調湿性をもつ断熱材は湿気を吸うと重くなります。

壁内に湿気がたまり続けると、断熱材が下に沈んだり、

密度にムラが出る場合があります。

・室内の温度や湿度が安定しづらくなる

気密が取れていないと外気が入り込んだり、

室内の暖かい空気が逃げたりします。

その結果、冷暖房効率が落ち、暑さや寒さのムラを

感じやすくなることがあります。

調湿可変気密シートの場合

弊社で採用しているウルト社のウートップSDヴァリオツヴァイの

調湿可変気密シートは、湿度によって”湿気の通しやすさ”変わる

特殊なシートです。

冬は湿気を通しにくく内部結露を防ぎ、

夏は湿気を逃して逆転結露を防ぐことで

年間を通してバランスよく湿気をコントロールできる構成になっています。

まとめ

こういった調湿性をもつ断熱材を施工する際に大切なのは、

断熱材だけに壁の中の湿気対策を任せてしまわないことだと思います。

高性能住宅にしていくには、断熱・気密・換気の

バランスを意識することが様々なリスクへの対策に繋がるのではと思います。