
エコバウツアー2025 Vol.2
〜ドイツ建築に学ぶ「健康」「シンプル」「持続可能」な住まいづくり〜
エコバウツアー2025の第2弾では、ドイツ・バイエルン州・オーストリアを中心に
以下の3カ所を視察してきました
バウビオロギー研究所(IBN)
- フロリアン・ナグラー氏の実験集合住宅
- ヘルマン・カウフマン氏設計の超高級住宅
いずれも「環境」「健康」「シンプルな建築思想」を体現する貴重な視察先でした
■ バウビオロギー研究所(IBN)
「バウビオロギー(Baubiologie)」という言葉は、日本ではあまり耳にしませんが
ドイツ発祥の概念で「建築生物学」と訳されます
人が健康で快適に、かつ環境にやさしく暮らせる住まいを目指す学問であり
1960年にアントン・シュナイダー博士によって体系化されました
当日は研究所の方から説明を受け
2年前のツアーでも講演を聞いたホルガー・ケーニッヒ氏の話を再び聴講
印象に残っている言葉は
「揺りかごから墓場まで」
「生産から廃棄まで」
というフレーズでした
建築における“ライフサイクル全体を見据えた責任”を改めて感じ
自分たちの家づくりがまだまだ学ぶべき点の多いことを痛感しました
■ フロリアン・ナグラー氏の実験集合住宅
「Einfach Bauen(シンプルに建てる)」は、ミュンヘン工科大学を中心に進められている研究プロジェクトです
建物を構造・材料・技術・運用の各面から
「できるだけシンプルに」「長持ちするように」設計・施工・運用することを目的としています
敷地内には異なる構造を持つ3棟の研究住宅が建設されており
木造
軽量コンクリート造
高断熱レンガ造
の3タイプが比較研究されています
内部の見学はできませんでしたが、隣接地で新たに建築中の現場を視察
そこに置かれていた木材のカットサンプルは
無垢材の中心部が中空構造になっており、断熱性能を高める工夫がなされていました
また、レンガも中空構造で、断熱材を一切使用していないにも関わらず
日本の一般的な住宅よりはるかに快適な室内環境を実現しているとのこと
まさに「素材そのものの性能」を最大限に引き出した建築と感じました
■ ヘルマン・カウフマン氏設計の超高級住宅
ヘルマン・カウフマン氏は、日本でも富山の「パッシブタウン第5街区」の設計で知られる建築家です
今回は氏が設計した木造の倉庫、ご実家の工務店、そして超高級住宅を視察しました
木造の倉庫は大スパン構造で、見たこともないような迫力のある梁が印象的

倉庫脇には興味深い車も停められており、思わず目を奪われました(笑)
最後に訪れた超高級住宅は、見晴らしの良い高台の斜面に建つ邸宅
施主様と工務店の奥様がシャンパンと手作りケーキで迎えてくださるという
温かくも贅沢な時間を過ごさせていただきました
建物はRC造のガレージの上に木造部分を載せた構成で
内装は床・壁・天井すべてが木材仕上げ
特にモミの木の柾目を用いた壁と天井は、シンプルながらも上品な印象で
木の素材感と空間の調和が見事でした
気になる建築費は……なんと約9億5千万円とのこと
おそらく二度と体験できない、貴重な住宅見学となりました
■ まとめ
「健康」「環境」「シンプル」というドイツ建築の根底にある価値観を
現地で直接感じられた一日でした
私たちの家づくりにおいても
“長く快適に暮らせるシンプルな住まい”
という視点を改めて大切にしていきたいと思います
次回は、スイスでの視察を予定しています
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