前回、熱の伝わり方についてまとめていきました。
熱は
壁の表面を伝達して
中を伝導し
そして壁の表面へと伝達していきます。
熱に関する伝わり方の種類の
『熱伝達』と『熱伝導』には単位があります。
今回はその単位や材料によっての違いなどを
紹介していきたいと思います。
熱伝達と熱伝導の違いは、それぞれの単位を見ると分かるようになるかと思います。
熱伝達は、『熱伝達率』というもので表され
単位は『W/(㎡・K)』
熱伝導は、『熱伝導率』というもので表され
単位は『W/(m・K)』
2つの単位の違いを見てみると
分母の中がm(長さ)か㎡(面積)かの違いになっていることが分かります。
熱伝達は、壁の表面と空気との温度のやり取りになるので
どれだけの表面積に熱が伝っているのかが求められます。
熱伝導は、壁の中に熱が伝わっていくため
どれだけの間(長さ)を熱が伝わっていくのかといった指標を言います。
これが熱の伝わりに関わる単位になります。
どちらも数値が大きくなるほど、熱が伝わりやすいといった指標になります。
※また熱の伝わり方の単位には、〇〇抵抗というものもあり、〇〇率の逆数を取ることで熱の伝わりにくさを示した指標もあります。
家づくりには、木や石、コンクリートなど様々な材料が使われています。
材料によって熱の伝わり方が違ってきており
その特性によって、
熱の伝わりやすいものから伝わりにくいものと区別することができます。
一般的に熱の伝わりやすいものから
大まかな分類でまとめると
金属系>土石系>木材系>繊維材料系
となっています。
鉄などの金属は、調理器具などにも使われており
熱が伝わりやすい代表例ではないでしょうか。
木よりは土や石の方が熱を通しやすい。
これもイメージすると分かりやすいかもしれませんが
物質が固く、寒い時期にもって冷たさを感じやすいものは
より熱の影響を受けやすい素材になっています。
そしてここで一番熱が伝わりにくいとしているのが
繊維材料系と書かせてもらっていますが、
これらはよく断熱材として使用される
『グラスウール』や『ロックウール』が代表例として挙げられます。
具体的な性能を『熱伝導率』で示していくと
・銅板 372
・鉄板 44
・コンクリート 1.39
・板ガラス 1.0
・土壁 0.69
・木材(杉) 0.13
・ロックウール60K 0.036
(単位:W/m・K)
ちなみに
・水(10℃) 0.57
・空気(20℃) 0.025
数値を紹介させてもらっている中で
『空気』が最も熱が伝わりにくいものになっています。
※対流していないという条件あり
それを利用しているのは断熱材になります。
繊維材料系のものは、繊維が複雑に絡み合うことで微細な空気層を作り出し熱を伝わりにくくしているのです。
また断熱材が水分を含むと、性能が落ちてしまう(熱が伝わりやすくなってしまう)と
お聞きした方も多くいられるのでないでしょうか。
水の熱伝導率0.57ということから
それより小さい値の断熱材の中に水が入り込むことで
取り込まれた部分にそれだけ熱が伝わりやすくなってしまうということになります。
そのため、断熱材は決して水分を含ませないように施工することが重要になってくるのです。
もし濡れた場合でも、しっかりと乾燥させる必要があり
乾燥を怠ると断熱性能の低下だけでなく
壁の中が結露したりと悪循環をもたらします。
材料の組み合わせによって断熱性能は変化します。
木材だけで断熱性能を取りたいと考えたとすると
ロックウール60K 100㎜に相当させるには
単純計算になりますが
木材(杉)が約3倍の300㎜もの厚さが必要になってきます。
材料には、それぞれのメリット・デメリットがあり
その特徴を理解したうえで
『適材適所』使いどころを見極める必要があるのです。
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