※※このブログは、新建新聞社さんの
参考にして書いています。※※
気密を身近なものでわかりやすく例えるなら、
ダウンジャケットの「ナイロン生地」と「ファスナー」です。
首や手首の締まり具合を調節することで、
隙間から暖かい空気を逃げにくくするのがファスナー。
もう一つは、ダウンの内側と外側を覆うきっちりとした
ビニールのような生地。
たとえ素材と厚さがしっかりしているダウンを使っていても、
それだけでは
風が面を通り抜けてスースーして
全然暖かくありません。
このように暖かい空気が外に逃げにくくすることも
気密の役割の一つです。
「頭は暑いのに、足元は寒い。」
この現象も気密が関係しています。
暖かい空気は上に逃げていく傾向があるので、
暖かい空気が上に逃げていくと
その分、下から冷たい空気が
入ってきてしまいます。
なので、
「足元が寒い」
といって、暖房を強くすればするほど
足元にはよりたくさんの冷たい空気が入ってくる‥‥
こんな悪循環がおこってしまいます。
ダウンジャケットの場合、
体に密着しているので夏もそのままだと
当然暑くなってしまいます。
では、お家の中にいる時のことを想像してみて下さい。
お家の外壁や屋根の中に入っている
住宅の断熱材と体は密着してはいないので、
断熱材と体との間にかなりの隙間があります。
これが夏暑くならないどころか
涼しくなるポイントになります。
高断熱のお家が夏涼しくなるためには、
窓から侵入する日差しを遮らなければなりません。
方法としては、
庇(ひさし)と言われる、
窓や玄関に取付けられる日よけや雨よけ用の
小さな屋根を取り付けます。
遮ることを怠ってしまうと、
日差しが窓を透過して
お部屋の中に熱がこもってしまいます。
そうなってしまうと、
壁・床の温度や室温が上昇してしまい
暑いと感じてしまいます。
夏の洞窟と地下鉄を例に出して考えてみます。
夏の洞窟では、
奥に行くほど涼しくなります。
なぜかと言うと、
奥に行くほど太陽の熱も届きにくくなり、
内部に熱を発するものもないからです。
一方、地下鉄では
地下の洞窟とも言えるものなのに
あまり涼しくありません。
なぜなら、
地下鉄に照明器具があったり、
私達人間自身が熱を発しているからです。
素材と厚さがしっかりしているダウンに
ワンポイントファスナーをプラスすることで
暖かい空気が外に逃げにくくなります。
「快適さ」を求めるなら、
このワンポイントを考えてみてはいかがでしょうか?
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