視察・勉強会
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エコバウツアー2025 Vol.3

2025.11.21 | 視察・勉強会

エンボディドカーボンを最小化した木造集合住宅を視察して

今回の「エコバウツアー2025 Vol.3」では

エンボディドカーボン(建物の運用以外で排出されるCO₂)

を最小化した木造集合住宅を見学してきました

建築の世界では、建物の輸送・建設・修繕・解体までの過程で

排出されるCO₂(エンボディドカーボン)が大きな課題になっています
実は、**建設業界が排出するCO₂は、世界全体の約40%**ともいわれているのです

■ 2年前に聞いた“あの建物”がついに完成

2年前のエコバウツアーでも、今回と同じ設計事務所さんの建物を視察しました

その際に「次はこんな建物をつくっています」と紹介されていた計画が

まさに今回の視察先でした

完成した姿を間近で見られたのは、とても貴重な体験

■ 高級住宅街にたたずむ「究極のリユース建築」

外観は一見すると新築の集合住宅
しかし、近づいてみるとリユース品を徹底的に活用していることが分かります

  • 駐車場の壁に取り付けられた太陽光パネルはリユース品

  • 駐輪場の壁には、解体された建物の「屋根材」を再利用

  • 郵便ポストまでリユース品

  • 室内のレンガは、解体建物の粘土からつくり直した特製レンガを“そのまま表し”で使用

  •   

レンガ作成はとても大変だった様で
「他の場所には、既製品を買いました…。」
と笑いながら話されていました

確かに、CO₂のことを考えなければ新品を買う方が早くて安いのですが

あえてリユースを積極的に選んでいる姿勢が印象的でした

■ そして驚きの“基礎なし”構造

今回もっとも驚いたのが、コンクリートを一切使っていないことです

「基礎はどうしてるの?」
と思いながら建物の周囲を一周すると、床下が見える部分があり…

なんと本当に基礎がありません

  • 鋼管杭のようなパーツを地面に打ち込む

  • その杭の上に鉄骨を載せる

  • その鉄骨で床を組む   

という仕組みになっていました

つまり、床・壁・屋根 すべてが外皮になっている構造です

ここまで徹底してコンクリートを使わない建物は初めてで

まさに「究極の低エンボディドカーボン建築」といえるのではないでしょうか

■ “新築=新品”ではない未来へ

新しいものを作るのではなく
使えるものは徹底してリユースする

そんな考え方を突き詰めていった結果

この集合住宅が生まれたのでしょう?

■ 2年前より大きく進化していた建築

今回のエコバウツアーを通して強く感じたのは

たった2年で建築は大きく進化していたと言う事

  • パッシブハウス級の断熱性能はすでに“当たり前”

  • 人・地球・動物・昆虫・植物…すべてに優しい建築

  • 生物多様性への配慮が設計の中心にある

建物を見るというより

建築の価値観そのものが変わってきていることを実感した視察でした

また、日本がどれだけ遅れているかも実感しました

■ まとめ

エンボディドカーボンをここまで真剣に追求した建物は

私の周りではほとんど聞く事はありません

性能を突き詰めて行ったら次はどこに向かうのだろうと思っていた先が今回の視察だったように思います

地球環境に配慮しながら、快適で長く住める家づくりをどう進めていくのか

引き続き学びながら、実践していければと思います

この記事を書いた人
高岡 文紀

代表取締役

高岡 文紀Takaoka Fuminori

内子町 出身/1961年2月7日生まれ/1級施工管理技士、2級建築士、省エネ建築診断士

高性能な家造りが大好きワクワクドキドキしながら毎日が楽しみです。こよなく吉田拓郎を愛しギブソンJ-45、ヤマハL-8を弾きながら拓郎歌ってます。アウトドアキャンプが大好き自然の中で楽しい時間を過ごしてます。

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