
住宅性能を基準にした独自補助制度の動向と今後の課題
9月も半ばとなりましたが、まだまだ暑い日が続いていますね
昨日も熱中症警戒アラートが発表され、体調管理には一層の注意が必要です
少し涼しくなるまでは、もう少し辛抱の日々が続きそうです
そんな中、新建ハウジングの記事で、青森県が独自の住宅性能基準
「あおもりGX住宅スタイル」を策定したことが紹介されていました
あおもりGX住宅スタイルとは
青森県では、新築・改修それぞれに独自の基準
新築住宅
等級6以上
一次エネルギー消費量削減率30%以上(GX志向型住宅に近い水準)
気密性能は0.7㎠/㎡と高い水準
改修住宅
既存住宅に応じた基準を設定
現時点で補助金や助成金の具体的な支給は未定ですが
2035年までにあおもりGX住宅の普及率を50%にすることを目標に掲げられています
他県の独自基準と補助制度の事例
都道府県レベルで、独自の住宅性能基準を設け
それに合致する住宅に補助金や助成金を支給している事例を調べてみると
以下のような例がありました
都道府県 | 補助制度 | 概要 | 補助額・条件 | 参考リンク |
---|---|---|---|---|
長野県 | 信州健康ゼロエネ住宅助成金 | 「信州健康ゼロエネ住宅」指針に適合する新築・リフォームを助成。県産材活用など要件あり | 新築で最大200万円等 | 長野県HP |
鳥取県 | とっとり健康省エネ改修(Re NE-ST) | 県独自の省エネ改修基準「Re NE-ST」を制定。認定住宅に改修費の一部を助成(登録事業者要) | 補助率1/3、上限150万円(全面改修) | 鳥取県公式 |
富山県 | 富山型高性能住宅推進事業費補助金 | ZEH水準を上回る県独自基準の新築・改修住宅を支援 | 制度により上限等は異なる | 富山県公式 |
東京都 | 東京ゼロエミ住宅(認証+助成) | 都の定める「東京ゼロエミ住宅」基準の認証制度と助成。設計確認後に助成申請可能 | 水準に応じ最大240万円 | 東京海洋大学 |
京都府 | 京都府住宅脱炭素化促進事業(ZEH等加算) | 独自の加算や要件で高性能住宅を支援 | 制度により加算(例:25万円上乗せ等) | KCFCA |
大阪府 | 省エネ支援情報 | ZEH等の高性能住宅・省エネ改修支援。国補助との併用なども案内 | 自治体ごとに上限異なる | 公式ページあり |
市町村レベルでの補助や独自基準はさらに多く存在すると思われますが
都道府県レベルだけでも6例が確認できました
愛媛県は現時点で確認できず
全国的にみてもまだまだ独自基準を設ける動きは限定的と言えそうです
愛媛県における今後の展望
鳥取県のように「スーパー公務員」と呼ばれる行政担当者の先導で
住宅性能向上の取り組みが進む例もあります
愛媛県は温暖な瀬戸内式気候ですが、近年の夏の猛暑は尋常ではなく
従来の住宅設計基準だけでは十分な快適性や省エネ性を確保するのが難しくなっています
そのため、県独自の住宅性能基準や補助制度の検討は、今後ますます重要になってくるでしょう
新築・改修を問わず、高性能住宅の普及と快適で安全な住環境の確保に向けて
行政と建築業界が連携することが期待されます
まとめ
青森県では「GX住宅スタイル」を策定、新築で等級6以上・一次エネルギー削減30%以上を目標
都道府県レベルでは6例の独自基準・補助制度が存在
愛媛県も猛暑対策や省エネ住宅の普及に向けて、独自基準の検討が求められる
高性能住宅は、快適性だけでなく、省エネ・環境負荷低減にも直結する重要なテーマです
今後の補助制度の動向や県独自基準の導入に注目していきたいところです
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