企業実習を通して学んだことについて
「建物の資産価値」という課題テーマのもと
パワーポイントを使って発表しました!
日本の「建物の資産価値」をご存じですか?
これを聞いて、よく耳にする言葉が
「(日本の)資産価値は22年(約30年)でほぼゼロになる」
だと思います。
住宅を購入した時、ローンを組むとしますと
35年のローンを組まれる方がほとんどです。
ですので、
”ローン全額返済前にして資産価値がゼロに”
ということになります。
・人生で一番高価な買い物といわれるのにゼロになるなんて!
・資産価値は高くあり続けてほしいのに!!
そう思われませんか?
「(日本の)資産価値は22年(約30年)でほぼゼロになる」というこの言葉。
結論から言いますと、これは誤解なんです。
確かに、性能面が乏しく本当にゼロになる建物もあるかもしれません。
でも、全てが絶対そうである確証はないのに、
多くの方がそれを信じ、誤解されています。
その原因は
日本の耐用年数(法定耐用年数)といえます。
日本の住宅はほとんどが木造住宅です。
法定耐用年数はこういった木造住宅など構造別に
価値を公平に評価して金額を決めた、国が定めた基準数値です。
昭和40年(1965年)からの国税庁 財務省令打ち出されました。
(法定耐用年数の表 画像元:https://fudousan-onepercent.com/kanrichintai/wooden_taiyounensuu.html)
その頃に比べ、現在の日本の建築施工技術は上がり、
木造住宅の強度は高まっているものの
数値に変化がないのです。
今日まで、約60年間変化されていないので、法定耐用年数の22年が
人々の頭の中に残り、根付いたといったところでしょう。
そして資産価値がゼロという考え方が出たと思われます。
法的耐用年数は、価値を公平に評価した基準にすぎないのにも関わらず
その数値ばかりに気を取られ、
住宅一つ一つ異なる性能・質という部分には
目を向けられていないのです。
このように、性能・質に関しての基準がハッキリとされていないので、
まだまだ丈夫なのに…高性能なのに…
高く評価してくれない仕組みとなっているのが日本の現状です。
そんな日本人の思考が以下のサイクルのような循環を生みだし、
現在においても日本の建物資産価値は住む年数で下がっています。
・購入時の値段を気にしすぎて性能面にこだわらない→満足感得られない・価値も初めから低い
・資産価値が低いと思い込んで実際メンテナンスをせず建物の機能を落としてしまう
・建物を売ろうとしても性能を評価してもらえず
安い値段を突き付けられ売買を諦める→性能良い中古住宅は少なく新築ばかりの日本へ
(エネルギーパスのような数値評価を義務づけられていないため、不動産の価値に性能値を結び付けられない)
悪循環ばかりが生まれてしまうのです…
一方、
世界の建物資産価値を見てみますと、
資産価値は減少しづらく、耐用年数も長く、
そして、高値で売却されることも多いようです。
それは、
”資産価値を高めようとメンテナンス・改修を行おうとする意識”
があるからです。
欧米諸国のサイクルは以下のようになっています。
資産価値が高いために、
・いざお家を売ろうとしても、高値が付く→売れる
・エネルギーパス義務化もあることから、お家の性能を誰でも比べることができる
(性能を正当に数値として評価してくれる)
・中古住宅でも性能評価を基準に安心して購入検討できる
こんな建物に対してのプラスの発想がされているのです。
ここまで、
日本と諸外国の資産価値の違いを見ると
きっと、欧米的資産価値の考え方がいいと思われるはずです。
日本もだんだんと
耐震基準法や省エネ基準などが取り上げられるようになり、
質・性能・快適さある暮らしへとシフトされつつあります。
これから資産価値を高められるお家をお考えなら、
家の建て方がとても大切になるということです。
そこで、パッシブハウス!!
ドイツのファイスト士が、建物の換気の際に最低限の暖房を施すことで、
全館暖房ができる性能を求めて決めた基準を満たした建物です。
これは、2020に義務化の予定だった日本省エネ基準より、約7倍もの性能の良さです。
高断熱・高気密・計画換気のバランスが整っていることで
→冷暖房など光熱費(ランニングコスト)を抑えられる
お財布に優しい!!
→地球温暖化を抑える建物であれる
地球環境においてもエコなお家!!
→どこにいても温度差・ムラない快適な生活を送れる
冷えで悩まない!体にもバッチリGOOD!!
→高性能だから資産価値も高い
耐久性も高い!資産価値も高く保てる!取り壊す理由がない!
パッシブハウスはこんな魅力であふれているのです。
せっかく人生で一番高いお買い物をするならば、日本の省エネ基準ラインで考えず
パッシブハウスやそれに近い高性能住宅で価値高いお家を建てたいと思いませんか?
企業実習生 佐伯(実習最終投稿)