※※このブログは、新建新聞社さんの
参考にして書いています。※※
~~そもそも暑いとは?寒いとは?~~
お家を建てるなら、
夏の暑さや冬の寒さをあまり感じない、
「夏も冬も気持ちよく暮らすことができて、
表面温度と室温がうまく調節できる環境の家」
が良いですよね。
では、どうしたら
そのような快適な家を手に入れることができるのでしょうか?
そのカギとなるのが、
「人が感じる快・不快には、
熱の伝わり方が大きく関係している」
ということです。
四季の変化がハッキリしている日本では、
夏は暑く、冬は寒くなりますよね。
なので、
「夏は冷房で体を冷やす」
「冬は暖房で体を温める」
ことが多いと思います。
しかし人間は、
周囲の温度によらず体温を一定に維持できる
恒温動物なので、夏でも冬でも体の中の体温は
ほとんど変わりません。
一方で、活動量に応じて代謝熱が発生します。
代謝熱とは、
体温維持のために体内で生み出される熱のことです。
全く体を動かさなくても、
基礎代謝としてある程度の熱を放出します。
この熱を速やかに逃がす必要がありますが、
夏は周りが暑いので熱を逃がしにくく、
冬は周りが冷たいので熱が逆に逃げすぎてしまいます。
そこで夏は皮膚の表面温度を上昇させたり
汗をかいたりして放熱量を増やし、
冬は皮膚の表面温度を下げて放熱量を減らそうと
体が努力します。
こうした体温の変化を体のセンサーが感じることで、
「暑い」「寒い」という感覚が生み出されるのです。
「人はどこから熱を逃がすのか?」
というと、下の図のようなルートで熱を逃がしています。
<呼吸・汗ルート>
息を吐いたり、汗をかくことにより発生。
家の中ではごくわずか。
<伝導ルート>
足裏などから床に熱が伝わって発生する。
全体に占める割合はとても小さい。
<対流ルート>
周りの空気に熱が伝わって発生する。
周りの空気温度を調整してあげれば、
すぐに放熱量が変化する。
<放射ルート>
目に見えない「遠赤外線」によって発生する。
離れた壁と熱をやりとり。
このようなルートで、
人は熱を逃がしています。
家の中で重要なのは、
対流と放射の2ルートで、
2つの中でも要注意なのは
放射ルートです。
上記で記したように、
放射ルートは、目に見えない「遠赤外線」
によるやりとりで発生します。
遠赤外線とは、
周りの床・壁・天井・窓など
人体を含めあらゆる物体に存在しているもののことです。
遠赤外線は目には見えませんが、
部屋の中で飛び交って熱を温度の高い方から低い方へ
移動させています。
「暑い」「快適」「寒い」という人間の熱バランスは、
①人体側の2要素
・代謝量
・着衣量
②周辺環境量の4要素
・空気温度
・平均放射温度
(床・壁・天井・窓などの周囲の表面温度(放射温度)を
合計面積で平均した温度)
・湿度
・気流
が影響します。
家の中で重要な対流と放射の2ルートのうち、
対流ルートには「空気温度」「気流」、
放射ルートには「平均放射温度」が大きく影響します。
このように、空気だけでなく
人の周りを包んでいるもの全てが影響しています。
そのため、人間の熱をどういう環境で
どれぐらい捨てるかのバランスで
「暑い」「寒い」が決まるのです。
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