パッシブハウス

パッシブハウスが「当たり前」になった、その先へ
日本ではまだ一部の先進的な取り組みに見えるパッシブハウスや省エネ等級7ですが、
ドイツやスイスではすでに「特別な建物」ではなく、標準仕様のような存在になりつつあります。
では、もし日本でも
パッシブハウスや等級7が当たり前になったとき、私たちは次に何を目指すべきなのでしょうか。
この問いを自分なりに考えながら、AIにも同じ質問を投げかけてみました。
返ってきた答えは、とても本質的なものでした。
次の目標は「エネルギー」ではなく
「建物のあり方そのもの」になる。
省エネの次に来るもの ― エンボディドカーボン
パッシブハウスや等級7は、「使うときのエネルギー」を極限まで減らした建物です。
しかし欧州では今、その評価軸が変わり始めています。
運用エネルギー → 建設時のCO₂(エンボディドカーボン)
どんなに断熱性能が高くても、
大量のコンクリートを使い、化学建材だらけで、短寿命な建物であれば、
地球全体で見れば決して環境にやさしいとは言えません。
日本の高性能住宅の多くは、
性能は欧州レベルでも、材料やつくり方は昭和のままという矛盾を抱えています。
アーキテクト工房Pureが視察してきた
ドイツの木造集合住宅や「Einfach Bauen(アインファッハ・バウエン)」は、
まさにその“次の段階”を示していました。

高性能 × シンプルという発想
ドイツで進んでいるのは
「高性能化」と「構成の単純化」を同時に実現する流れです。
日本では今、
- 何層もの断熱材
- 可変透湿シート
- 通気層だらけ
- 金物と接着剤だらけ
という「高性能=複雑化」になりがちです。
一方、ドイツの次世代建築は
少ない材料で、壊れにくく、長く使える高性能建築を目指しています。
工業製品としての住宅から、
構造物としての建築へ。
この視点の転換こそが、次のフェーズなのだと感じました。
本当の環境性能は「何年もつか」
日本の高性能住宅は、
「どれだけエネルギーを減らせたか」で競争しています。
しかし、本当に問うべきなのは、
その建物が何年使われるか
30年で建て替え…環境負荷は最悪
60年…まだ不十分
100年…ようやく合格
150年…持続可能
欧州で語られるのは、200年建築
断熱性能は目的ではなく、
長く使うための手段にすぎません。
パッシブハウスの“その先”
次の段階は、こういう立ち位置
「認証を取る会社」から
「パッシブハウスを思想として使う会社」へ
パッシブハウスであることは前提。
その上で、
- どんな材料を使っているか
- 構成はシンプルか
- 修繕できるか
- 地域の気候に合っているか
建築を「工学」から「文化」に戻す。
そんな段階に入っていくのだと思います。
視察で見た“その先の風景”
2023年、そして昨年とドイツ・スイスを視察して、
私が最も衝撃を受けたのは、
パッシブハウスやミネルギーという言葉がほとんど出てこないことでした。
あまりに当たり前すぎて、
誰もそれを特別視していないのです。
代わりに語られていたのは、
- 製造時のCO₂を減らす仕上げ材(粘土など)
- 機械換気をやめて窓開け換気に戻した建物
- コンクリートを使わず、リサイクル杭の上に建つ建築
- ヘンプ(麻)断熱材や無焼成レンガ
- リサイクル太陽光パネルとV2H
- EVのカーシェアリング
解体時発生した土から無焼成レンガ
窓開け換気
リサイクル杭の上に建つ建築
リサイクル太陽光パネル
そして何より、
「生物多様性」という言葉が何度も出てきたことが印象的でした。
日本が、いかにまだ「エネルギー効率」だけで建築を語っているかを痛感しました。
日本はどこへ向かうのか
資材高騰でコストを抑えるために性能を上げる。
それ自体は悪いことではありません。
しかし、
性能は高いが、短命で、材料も環境負荷が大きい建物が増えてしまえば、
それは本当の意味でのサステナブルとは言えません。
パッシブハウスや省エネ等級7が当たり前になったその先で、
私たちが問われるのは、こういうことではないかと思います。
この建物は、地球にとって「つくってよかった」と言えるか。
皆さんなら、その先にどんな建築を思い描きますか。
「資産価値が上がる家づくり」
相談会開催中!




